HbA1cの基準値は健診機関によってどのように異なるのでしょうか?
ヘモグロビンa1cの基準値は医学的に糖尿病になり難いとされる境界の数値です。また、男性より女性のほうが、年配者より若い人のほうが低く、各年代・男女共全て6%以下です。
HbA1cの年代・男女別基準値(血糖換算値 mg/dl)
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 5.3(105) | 5.4(108) | 5.4(108) | 5.8(120) | 6.0(126) | 5.9(123) |
女性 | 5.2(103) | 5.4(108) | 5.5(111) | 5.7(117) | 5.9(123) | 5.8(120) |
しかし、その糖尿病判定の基準値には、A:厚労省、B:人間ドック学会、C:日本糖尿病学会がそれぞれガイドラインを出しています。
それらをまとめたのが以下の表です。
A,厚労省の基準値
|
空腹時血糖値(mg/dl) |
HbA1c(%) |
---|---|---|
◎基準範囲内 |
~99mg/dl |
~5.5% |
〇要保健指導(レベル1) |
100~109mg/dl |
5.6~5.9% |
△要保健指導(レベル2) |
110~125mg/dl |
6.0~6.4% |
×受診勧奨判(レベル3) |
126mg/dl~ |
6.5%~ |
B,人間ドック学会の基準値
空腹時血糖値(mg/dl)とHbA1c(%)の関係 |
|||||
---|---|---|---|---|---|
◎異常なし |
~99mgかつ~5.5% |
||||
〇軽度異常 | ①100~109mg/dlかつ~5.9% | ②~99mg/dlかつ5.6~5.9% | ①、②のいずれか | ||
△要経過観察・生活改善 |
A)110~125mg/dl |
B)6.0~6.4% |
C)126㎎/dl~かつ~6.4% <ブドウ糖負荷試験推奨> |
D)~125mg/dlかつ6.5% <ブドウ糖負荷試験推奨> |
A)、B)、C)、D)のいずれか |
×要治療 |
126mg/dl~かつ6.5%~ |
C,日本糖尿病学会の基準値
日本糖尿病学会だけは空腹時血糖値とブドウ糖負荷試験のみで判定しています。
空腹時血糖値(mg/dl) |
※ブドウ糖負荷試験による 2時間後血糖値(mg/dl) |
|
---|---|---|
◎正常 |
100mg/dl未満 |
140mg/dl未満 |
〇正常高値 |
100~109mg/dl |
140mg/dl~ |
△境界型 |
110~126mg/dl未満 |
140~200mg/dl未満 |
×糖尿病 |
126mg/dl~ |
200mg/dl~ |
※HbA1cは6.5%以上あった時のみ糖尿病型と判定しうる根拠の一つになります。
※ブドウ糖負荷試験とは、ブドウ糖75gを水に溶かしたものを飲み、30分後、1時間後、2時間後に採血して血糖値を測定したものです。
※空腹時血糖値100㎎未満、ブドウ糖負荷試験2時間後血糖値140mg/dl未満であれば正常としています。
日本糖尿病学会では、予防の立場からもう一つの基準値を出している
日本糖尿病学会ではHbA1cがNGSPに統一されたのを機に、糖尿病を予防する立場からみた基準値も発表しています。
それによるとステップ1でBMIと腹囲の測定をし、ステップ2で次のように空腹時血糖値もしくはHbA1c値を使用しています。
空腹時血糖値 |
99mg/dl以下 |
100~109mg/dl |
110~125mg/dl |
126mg/dl以以上 |
---|---|---|---|---|
または |
||||
HbA1c |
5.5%以下 |
5.6~5.9% |
6.0~6.4% |
6.5%以上 |
対応 |
問題なし |
情報提供、追跡 |
ブドウ糖負荷試験を受け、境界型なら追跡、生活習慣指導。糖尿病型なら受診勧告 |
直ちに医療機関受診 |
評価 |
正常 |
正常高値 |
2時間後血糖値が40~200mg/dl未満なら境界型、200mg/dl以上なら糖尿病型 |
糖尿病 |
これによると厚労省や人間ドック学会の基準とも一致しています
3機関におけるHbA1cによる判定基準値のまとめ
次のようになります。
- HbA1c5.5%は厚労省、人間ドック学会ともに正常値
- HbA1c5.9%は厚労省、人間ドック学会ともに軽い保健指導、軽度異常値
- HbA1c6.0%は厚労省、人間ドック学会ともに中程度の保健指導、要経過観察・生活改善値
なお、空腹時血糖値は100mg/dl未満であれば厚労省、人間ドック学会、日本糖尿病学会においてすべてが正常判定となります。(注:個別にみた場合)
HbA1cによる血糖コントロールの基準値
- HbA1c6.0%未満…血糖値正常化を目指す際の目標
- HbA1c7.0%未満…合併症予防のための目標
- HbA1c8.0%未満…治療強化が困難な際の目標
糖尿病治療における血糖コントロールの目標は、長いスパンで考えなければなりません。ヘモグロビンa1cは、採血時のワンショットの数値である血糖値より継続的なため、目標値の指標となっています。
HbA1cによる糖尿病判断の基準値
- HbA1c5.4%未満…ふだんの血糖値が正常範囲内の人
- HbA1c5.4-6.4%未満…時々血糖値が高めの人(境界型糖尿病)
- HbA1c6.5%以上…糖尿病
空腹時血糖値の評価表(mg/dl)
HbA1cだけではなくなく、空腹時血糖値と合わせて考えることが大切です。
正常値 | 正常高値 | 境界型 | 糖尿病初期 | 中期 | 重症 |
---|---|---|---|---|---|
70~99 | 100~109 | 110~125 | 126~129 | 130~159 | 160~ |
ヘモグロビンa1cは理想的な平均値を目指そう
ヘモグロビンa1cの平均値とは、基準値から0.4%引いたもので、人が本来持っているより理想的な健康状態を示しています。
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 4.9% | 5.0% | 5.0% | 5.4% | 5.6% | 5.5% |
女性 | 4.8% | 5.0% | 5.1% | 5.3% | 5.5% | 5.4% |
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