HbA1cだけでは分からない合併症予防のために必要な各種検査
HbA1c以外の血糖値の検査について
HbA1cだけでは2~3日前や1週間前くらいの血糖値のようすが分かりません。
そのため近い過去の血糖状態を知るにはグリコアルブミン、フルクトサミン、1.5AGといった別の検査が必要です。
ここではそれぞれの検査について説明します。
グリコアルブミン(GA)
この検査ではブドウ糖と血清中のタンパク質であるアルブミンとが結合したグリコアルブミンが、全アルブミン中にどれくらい存在するかを%で表します。
検査日から1~2週間前までの血糖値の状態がわかります。
血糖値が高いほど数値が高くなります。
グリコアルブミンの基準値(正常値)は、
- 11~16%
- *酵素法で12.3~16.5%
*酵素法とは?
酵素を用いた最近、主流となっている手法です。
この検査で分かることは、
- HbA1cが正常値でもグリコアルブミンが高値なら症状が急変している
- 治療を開始して間もない場合にグリコアルブミンを調べればその効果が分かる
近い将来、糖尿病検査の中心になるといわれるほど重要な検査です。
フルクトサミン(FRA)
この検査は貧血のためHbA1cが低くなってしまう患者にとっては欠かせません。ただし、グリコアルブミン検査をやれば必要ありません。
検査日から2週間前までの血糖値の状態がわかります。
フルクトサミンの指標は、
- 280μ mol/l以上:糖尿病
- 320μ mol/l以下に抑える:すでに糖尿病の人の目標
- 450μ mol/l以上:ここ2週間血糖値コントロールができてない
1.5AG(1.5アンヒドログルシトール)について
この検査は食事の影響を受けずに、検査時から数日前までの血糖の状態が分かります。
1.5AGは、血液中に2番目に多く存在している糖で、多くの食物に含まれています。
それが体内に入ると尿中に排泄されますが、その量と口から入る量とが同じなため、健康な状態では血液中の1.5AGの濃度もいつも同じはずです。
しかし血糖値が高いとその一部が尿糖として排泄されるため1.5AGも下がり異常であることが分かります。
1.5AGの基準値は、
- 男性:15~45μg/ml
- 女性:12~29μg/ml
- 男女:13μg/ml以下なら血糖コントロールができていない
腎不全や腎症糖尿の場合もあります
血糖コントロールのために必要な血糖値検査のまとめ
検査によっていつの血糖の状態がわかるかは以下のようになります。
検査 |
いつの血糖の状態がわかるのか |
---|---|
グリコヘモグロビン(HbA1c) |
過去1~2か月間 |
グリコアルブミン(GA) |
過去1~2週間 |
フルクトサミン(FRA) |
過去1~2週間 |
1.5AG |
過去数日間 |
血糖値 |
採血をしたその瞬間 |
合併症予防のために必要な血糖値以外の検査とその目的
尿検査について
腎障害(腎炎・腎不全など)の予防について
主に次の3つを調べます。
- 尿糖
- 尿たんぱく
- 尿中アセトン体
糖尿病かどうかのチェックに用いられる検査です。血糖値が高い状態が続くと尿中に漏れ出る量が多くなります。
腎障害(腎炎・腎不全など)のチェックに用いられます。腎臓に障害があればタンパク質は尿中に漏れ出てきます。
糖代謝がうまく行われないとアセトン体が血中や尿中に溶け出てきます。
眼底検査について
網膜症の予防として、眼科医がチェックしたり、無散瞳(さんどう)眼底カメラで撮影したりします。
神経学的検査について
神経障害の予防として、膝蓋腱(しつがいけん)反射検査やアキレス腱反射検査、温痛覚の検査などを行います。
その他の検査について
- 血圧測定
- 総コレステロール
- 中性脂肪(トリグリセリド)
- 肝機能検査
これらは、高血圧や脂質異常症、脂肪肝などの有無をみるために行われることがあります。
また心疾患のチェックのため、
- レントゲン
- 心電図
これらは最低でも年に1回は行われるでしょう。
まとめ
- HbA1cは過去1~2か月間の血糖値
- グリコアルブミンは過去1~2週間の血糖値
- フルクトサミンも過去1~2週間の血糖値
- 1.5AGは過去数日間の血糖値
- 血糖値は採血時の血糖値
- 糖尿病治療中は合併症チェックのため各種検査が必要
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