血糖値を下げる薬を賢く使うための4つのポイント
ポイント1:病気を治すのは自分だと意識しよう
糖尿病の治療は、
- 食事療法や運動療法が基本であることを忘れず、
- 医学的な治療や薬の力を借りて、
- 患者自らが能動的に取り組む
ことが大切です。そのため病気に対する基本的な知識は必要です。
そのうえで自分が現在どのような特徴を持つ薬を処方されているのかを把握するようにしましょう。
ただ漫然と服用し続けるのではなく、薬の効果や副作用、処方されている理由などがわかれば、より効果的に賢く使用できます。
ポイント2:第一選択薬の特徴を知っておこう
ここ数十年の間に、糖尿病の経口薬の選択肢は7種類に増えています。その中で現在、第1選択薬としてメジャーなのがジャヌビア、グラクティブなどのDDP-4阻害薬です。
かつてはアマリールなどスルホニル尿素(SU)薬が第1選択薬の主流でした。
しかし長期使用により、
- 効果が現れにくくなる
- 最終的にすい臓のβ細胞が枯渇し、インスリン注射に頼らざるを得なくなる
などの問題が発生しました。
その点、新しく登場したDDP-4阻害薬は、
- すい臓のβ細胞の保護作用がある
- 低血糖を起こしにくい
- 体重増加がない
と、良いことずくめ。
しかし、
- 代謝を腎臓で行うので腎機能に影響
- 肝機能が悪化する
- 胃腸に対する副作用が出ることがある
そのため腎機能や肝機能のチェックなど使用に際しては注意が必要とされています。
一方、欧米ではビグアナイド薬のメトホルミンが第一選択薬です。
SU薬同様古くからあるこの薬は、
- インスリン分泌能力が日本人と異なる欧米人に適している
- 肥満に有効
- 肝機能・腎機能に注意が必要
- 乳酸アシドーシスという重篤な状態に陥る可能性がある
といった特徴があります。
どの薬にも効果と副作用があります。できるだけ副作用を低く、効果を高くしたのが新しい薬ですが、古い薬も再評価されたり、第1選択薬と併用して使われることがあります。
また古い薬には長年のデータの蓄積がありますが、新しい薬にはありません。そういったことも踏まえ、現在処方されている薬について知っておくといいでしょう。
ポイント3:服用治療の答えは一つではない
主治医は糖尿病の症状と、肝機能障害がなど現在の体の状態、もともとの体質などを総合的に診て、最も合う薬を処方しています。
ですから薬は単体、または複数を組み合わせることもあり、答えは一つではありません。
しかも相性が合うかどうかは実際に試してみないとわかりません。すぐに効果が出なくても、あるいは副作用が出たとしても、焦る必要はありません。
怖がらずにいろいろ試しましょう。
ポイント4:新しい治療薬にも注目しよう
新しい治療薬にインクレチン製剤があります。
その中でもGLP-1(=glucagon-like peptide-1)は、血糖値を上げるグルカゴンの働きを抑えてくれます。
しかも、血糖値が80mg/dl以下だと作用せず、食欲も抑えてくれる一石二鳥です。
グルカゴンは肝グリコーゲン(肝臓にストックされるブドウ糖の変形)やアミノ酸をブドウ糖に変えて、血液中に放出するインスリンの働きが弱いと分泌されるホルモンです。
このGLP-1は今、とても注目されていますが、今後さらに良い薬が登場するかもしれませんね。
2型糖尿病を改善するための経口薬や血糖降下剤の種類
2型糖尿病にはどんな薬があるのか、その作用ごとに見てみましょう。
インスリンの分泌を促す薬
- スルホニル尿素(SU)薬
- 最も多く使用されている薬
- インスリン分泌で障害で肥満でない場合に有効
- 重篤な低血糖を引き起こしたり、体重増加を招くことがある
- 膵臓のβ細胞を疲弊させるので、長期の服用には向かない
- DPP-4阻害薬
- インクレチン製剤で比較的新しい薬
- 食後高血糖の傾向が著しい場合に有効
- 血糖値が上昇した時だけ効果を発揮する
- 低血糖や体重増加を起こさない
製品名:アマリール、グリミクロン、オイグルコン等
製品名:ジャヌビア、エクア、トラゼンタ、スイニー等
インスリンの分泌を促し、食後高血糖を治す薬
- フェニールアラニン誘導体(グリニド系)
- 即効性が特徴で効果が出るのも切れるのも早い
- 食後の高血糖に有効な食後血糖降下薬
- 服用後に食事をしないと低血糖を起こす可能性
- SU薬と同じように膵臓のβ細胞に働きかける薬
製品名:スターシス、グルファスト、シュアポスト等
食後高血糖を治す薬
- α-グリコシダーゼ阻害(αGI)薬
- α-グリコシダーゼという酵素の働きを阻害することで、消化吸収を遅らせる
- 食後の高血糖に有効な食後血糖降下薬
- 低血糖になる可能性は低い
- 膨満感や下痢等の腹部の副作用がある
製品名:グルコバイ、ベイスン、セイブル等
インスリン抵抗性を治す薬
- チアゾリジン(TZD)薬
- 脂肪組織に働きかけることでインスリン抵抗性を改善
- 肥満に有効だが体型問わず使用できる
- 低血糖になる可能性が低い
- むくみを起こしたり、肝障害が起こることがまれにある
- ビグアナイド(BG)薬
- 古くから使用されている薬
- 筋肉によるブドウ糖の分解を促進することで血糖値を下げる
- 体重が増加しにくいので、肥満でも服用できる
- 軽い胃腸障害の副作用がある
製品名:アクトス、ロシグリタゾン等
製品名:グルコラン、メトグルコ、ジベトス等
まとめ
- 薬に頼りきりにならず、治そうという意識を持とう
- 時代の変化による、薬の新旧それぞれの特徴を知っておくとよい
- 服薬には症状や体質、相性などの要素があるので、気長に取り組む
- 服薬以上に食事療法と運動療法を大切に
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